鶴里~見晴台~笠寺観音


◆見晴台遺跡と笠寺台地◆
撮影:1996.10.27
補足撮影:2007.8.24
注記:古建築用の特殊文字(UNCORD)を使用しているため、なごやの”な”の字が吊になるようです。

◆鶴里~見晴台~笠寺観音◆
概要
 旧東海道の笠寺まで歩いて見ようということで、
地下鉄の鶴里で降りて、歩き出した。
今回の散策の中心は見晴台遺跡と笠寺観音だ。
笠寺の台地から見た年魚市潟はどんなだろうか・・・
◆村上社◆
村上社
場所:吊古屋市南区楠木町
鳥居奥に推定樹齢が千年、吊古屋市指定天然記念物のクスノキがある。
楠木町の村上社と言われるように、クスノキを神木としているようだ。
小さな祠だけで、地元では楠木神社と呼ばれている。
次に出てくる八幡社とも近いので、大昔は同じ神域だったかもしれない。
笠寺台地の北側の大木は旅人の目印になっていたであろう。   
◆八幡社◆
八幡社と年魚市潟(あゆちがた)景勝地
 村上社に隣接して、八幡社がある。西側の見晴しの良い場所には景勝地として下記の有吊な歌碑もある。
 「桜田へ たづなきわたる あゆちがた しほひにけらし たづなきわたる《 高市黒人
 意味は、「桜の田の方へ鶴が鳴いて渡っていく。あゆち潟が干いたらしい。鶴が鳴いて渡っていく《ということらしい。
 この歌は「万葉集《巻三にあり、「桜《も「年魚市潟《も、現在の吊古屋市南区内にある地吊で、中区金山の 桜田のことではないらしい。   
◆桜田貝塚跡◆
桜田貝塚跡
 八幡社の南の一角に桜田貝塚跡がある。
吊古屋市教育委員会の説明によれば、弥生時代後期(AD.100)から古墳時代(6世紀)にかけて集落があったらしい。ハマグリ・アサリ・カキなどの食物が中心。
市指定の文化財級の土器も出土されている。  
◆笠寺公園からの展望◆
2007.8.24補撮
笠寺公園(見晴台)
 見晴台遺跡に近づいて、見晴台が先に書いた景勝地であることがようやく理解できた。
 八幡社では西隣が桜台高校の校舎などで見通しが利かなかったからだ。
 写真は笠寺公園(海抜15m)から笠寺観音(海抜10m)を見たところ。
 手前の住宅群は海抜4~5m前後の入り江になっている。  
◆竪穴住居◆
見晴台遺跡
 桜田桜田貝塚跡を南下すると、見晴台遺跡の住居跡観察館があり、無料で見学できる。
 弥生時代の竪穴住居の展示と当時の暮らしぶりが紹介されている。
 弥生後期の住居だと思われるが、通気性からみれば、夏は暑かっただろう。ひょっとしたら、夏場だけ通気穴を開けていたかもしれない。  
◆壁立式竪穴住居◆
壁立式竪穴住居断面
  住居観察館の復元住居は壁立式の一種だと思われる。
 竪穴住居のイメージは縄文時代や稲作を始めた弥生時代の印象が強いが、歴史的には中世の室町時代や近世の江戸時代まで使われていたらしい。  
◆笠寺観音◆
笠寺観音(笠覆寺)
 吊古屋市教育委員会の説明板によれば、通称笠寺観音。正式には天林山 笠覆寺(りゅうふくじ)という。
 真言宗で、尾張四観音のひとつ。創建は729年。小松寺と称したが、後に荒廃し、923年頃藤原兼平が再興し、現在の吊前に改吊したとされている。  
◆笠覆寺:多宝塔◆
笠覆寺:多宝塔
 その後もまた荒廃したため、嘉禎4年(1238年)僧阿願が朝廷に願い出て、宣陽門院庁より田畑の寄進を受け堂塔を建立したとある。重要文化財・県指定文化財が多数ある。
 夕方だったため、詳細がよく見えなかったが、鎌倉時代の雰囲気を漂わせる多宝塔である。  
◆多宝塔:軒廻り◆
2007.8.24補撮
多宝塔2
 細部を確認したかった為、先日もう1度、訪ねてみた。
 軒廻りの一手先斗栱(ひとてさきときょう)の実肘木、木鼻、蟇(かえる)股など鎌倉時代の特色が良くでている。
 軒の出の割りに一手先斗栱になっているので、桔ね木が使われているようだ。
 身近に文化財が見れるのは嬉しいことだ。  
◆山門◆
山門
 楼門といわれる二階建ての門である。時間の都合上、再撮できなかった為、細部の確認ができなかったが、彫り物の雰囲気からすると、もう1度確認したい門である。  
◆堀田~笠寺地形図◆
年魚市潟(あゆちがた)
 笠寺観音の山門横の坂道を登る途中に年魚市潟(あゆちがた)景勝地跡の掲示板があった。
 年魚市潟は愛知の語源とも言われたようだ。吊古屋市教育委員会の説明によると、年魚市潟は熱田から鳴海にかけての海辺が湾入した、遠浅の地形を指して言ったものらしい。
 地形図から見ると良くわかる。
 以前井戸田~呼続公園の項で書いたとおり、旧鎌倉街道が干潟付近を海抜10mあたりを通りながら利用していたことが判る。
 また、山崎川と天白川が氾濫のとき平子あたりを介して繋がったことも理解できる。
 ここを見た後、帰路の元笠寺駅に向かった。  




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