見聞録


八事山 興正寺
撮影:1995.12.29

◆県内に現存する唯一の五重塔◆
興正寺五重塔
 この塔はヽ文化五年(1808)興正寺七世真隆のとき建立された。
乱肩積の基壇上に立ち、各層とも長押を巡らし、三手先の組物をもつ和様一の塔で、初層四天柱を仏壇として、四面に四仏を安置し、また二層以上に高欄付の縁をつけ、屋根は本瓦である。
江戸末期の建築であるが木割が太く、下層から上層に向っての逓減車が少ないためか、古調を帯び堂々としている。
県内に現存する唯一の五重塔の遺構で、昭和互五十七年二月十六日国の重要文化財に指定された。

 名古屋市教育委員会:記

 1995年12月29日昨年まで体調が悪く、堀川沿いの散歩から市内の街道沿いに足を伸ばして、初めて出会った木造の塔だったのを思い出します。
そして、愛知県で現存する唯一の五重塔が身近にあったことを知り嬉しくなりました。
この頃、古建築の時代や様式も知らない頃だったので、撮った写真の数も少ないのが残念です。
後日、もう1度写真撮影と組み物の様子を見に行きたいものです。
いつまでも大切にしてほしい塔の1つです。
 ただ、見て思ったのは文化財の割りに、かなり老朽化している印象でした。
塗装は無く、黒ずみ木目が浮き出ていてで、修復が必要だろうと強く感じました。
 江戸後期の建立の典型で、塔身の高さに比べて天辺の相輪の高さが低いため、ずんぐりとした姿になっています。
初期の撮影のため、相輪が切れてしまっているのも残念ですね。
 名古屋市内にしてははお寺の境内はかなり広く、散歩道も整備されています。
尾張徳川家とのつながりも強かったためか、徳川家の寄進されたお堂もいくつかあります。
先日、本堂の阿弥陀如来像(10世紀頃の作)が県の文化財に指定されました。
中には墓地もあり、古寺のたたずまいが心を和ませます。
 
◆案内図◆
八事山 興正寺
名古屋市昭和区八事本町78
TEL(052)861-9701
地下鉄:名城線/東山線:八事駅より徒歩5分ほど   
◆中門と五重塔◆
八事山 興正寺 概要
 宗派:真言宗。貞享5年(1688)の創建と伝えられる。
高野山を模して造られ、高野山金剛峰寺の末寺になっていて、そのため尾張高野とも呼ばれるとか。
境内は東西二山に分かれ、本堂の奥の院がある東山は、かつて女人禁制だったとのこと。
 西山の五重塔(重要文化財)は、文化5年(1808)の建立。毎月5日と13日に縁日が目立つそうです。
 現在の中門は江戸時代までは東山と西山を分ける門として、塀と土塁をめぐらし女人禁制を守っていました。
明治時代になり女人禁制廃止後は中門として境内の五重塔前に移されたようです。   
参道
縁日のときはここに屋台が並ぶのでしょうね。
中門から左に上って行くと奥に鎮守と呼ばれる社殿があります。
八事山の鎮守として京都岩清水八幡宮をこの地に迎えたとのことです。  
本堂
現在の西山の本堂です。
堂は寛延三年(一七五〇年)もと阿弥陀堂として建立されました。   




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